絶滅危惧音楽を
未来へ
「繋ぎプロジェクト」全7回
文政5年の八橋流箏曲と、明暗調律(九半割)の普化宗尺八、当道が伝承した平家と共に
明治維新という日本文化の転換期から150年あまり。この歳月を経た今、江戸時代までに培われてきた音曲や芸能、工芸などのいくつかが失われつつあります。
このプロジェクトは、田中奈央一(平家)、彈眞空(普化宗尺八)、てん・仁智(八橋流箏曲)、3人それぞれの独奏によるリサイタルを内在させながら、毎回、ゲストをお招きし、10か月前後のインターバルで公演を7回開催するという試みです。
「私たちが何もしなければ、50年後には消滅しているかもしれない」。そんな危機感を持ちながらも、各々が携わっている音楽の魅力を表現してゆこうと思います。
2026年1月開催の「其の一」では、沖縄以外の土地ではなかなか聴く機会のない、琉球の胡弓の音色を、独奏でたっぷりとお聴きいただきました。
次回「其の二」は、鉄砲やキリスト教にやや遅れて伝来した三絃の楽器に焦点を当てます。その楽器は、三味線と呼ばれるようになり、最も一般的な邦楽器の一つとなりましたが、伝来当初は、どんな人たちが、どのような曲を、どのように演奏していたのでしょうか。邦楽研究家の野川美穂子先生のお話に加え、古態の箏・三味線の研究と演奏に取り組まれている長谷川慎先生をお招きし、お話と柳川三味線の実演をお願いします。菊央雄司先生には、野川三味線の実演と、第二部で《松虫》をお願いいたします。どちらの三味線の音も、三味線伝来当初の音を彷彿とさせますが、現在では聴く機会が少ないものです。
絶滅危惧種コンサート制作委員会
日本の絶滅危惧音楽を考える 其の二
継承への布石
「ご存じですか?三味線伝来当初の音楽を。」
プログラム※予定
第1部◉お話篇
野川美穂子/実演:菊央雄司(野川三味線)
長谷川慎(柳川三味線)
第2部◉リサイタル篇
彈眞空(普化宗尺八)●《虚霊》《眞虚鈴》
てん・仁智(八橋流箏曲)●《梅が枝》
菊央雄司(野川流三味線組歌)●《松虫》
田中奈央一(平家)●《横笛》
2026年11月19日(木)18:30開演
渋谷区文化総合センター大和田(6階)
伝承ホール
入場料 3,000 円(全自由席)
■ウェブ予約 :オンラインでチケットを購入する(Confetti[カンフェティ]に移動します)
■電話予約: 050-3092-0051(カンフェティチケットセンター 平日10:00〜17:00)
■メール予約・お問合せ:当サイトのご予約・お問合せフォームからご連絡ください。
演奏家プロフィール
田中奈央一
平家
東京藝術大学(箏曲山田流専攻)卒業、同大学院修士課程修了。文化庁新進芸術家国内研修員修了。NHK邦楽技能者育成会 第50期首席卒業。古典箏曲以外に長唄三味線や江戸小唄、ボイストレーニングを学び、NHKテレビ、NHK-FM、歌舞伎公演や国立劇場主催公演ほか各種演奏会に出演を重ね、デンマーク・フランス・スイスなどの海外公演、現代作品の初演、バロック楽器との共演など様々な演奏活動を展開。’15年より平家琵琶の伝承にも取り組み、国内外で演奏を行うほか、全国の小中学校での巡回公演にも参加し、次世代への紹介、普及にも務めている。東京藝術大学及び付属音楽高校非常勤講師を務め、現在、都立王子総合高校特別専門講師。
彈眞空
普化宗尺八⾼橋空⼭の「⽵の響き」を聴き、その妙⾳に魅せられ普化宗尺⼋に没頭。独学で⾳⾊や旋法の研究、地無し尺⼋の製管を始める。ネパール・インドへ尺⼋⾏脚(ʼ87〜ʼ88)後、空⼭の⾼弟・藤由越⼭に師事。ʼ96〜仏教寺院・能舞台・コンサートホール・ライブハウス等での演奏活動開始。「吹・作・創」⼀体不可分を提唱。毎秋、製管材を求めて採竹の旅に出る。ʼ03~地無し尺⼋専⾨⼯房にて、普化宗尺⼋を中心に古代尺⼋等を系統的に研究・製作。「ワールド尺⼋フェスティバル 2018 ロンドン」に出演。CD に「彈眞空 ⽵の響き」他。現在、「普化宗尺八」を独立した藝術の一分野として、復曲・技法の錬磨・固有の理論体系の構築とAI活用法に取り組んでいる。
てん・仁智
八橋流箏曲
東京藝術大学音楽学部卒業後、自作自演のソロ演奏活動(〜’00日本各地で60回以上)、映像音楽の作曲・演奏(’89〜’04)、演奏家たちとのセッション演奏(英国、東大寺大仏殿、TV、他/‘90〜’00)を経て、’96年頃より日本各地の民間伝統芸能の探訪・調査を始め、意義のある伝承が各地で失われつつある現状に心を痛める。長野市に伝えられている八橋流を習得('00〜’14)。’15年より文政5年に書かれた八橋流譜本の研究を行い、’19年東洋音楽学会にて発表。国立劇場、浜松市楽器博物館、紀尾井小ホールなどで研究に準拠した八橋流の演奏・レクチャーを行う。CD「箏の古典と白繭の響き」他。DVD「箏の物語」の企画・制作・背景音楽を担当。当道音楽保存会会員。
長谷川慎
地歌箏曲
地歌箏曲演奏家・地歌箏曲における古態楽器研究家。2012年から野川流地歌三味線の調査研究を開始し、2014年に絶えていた野川三味線を京都・今井楽器店協力によりを現代に蘇えらせる。同年NHK邦楽オーディションに柳川三味線で合格。以降、三味線のみならず箏・胡弓についても研究、演奏を行う。これまでに宮城道雄、長谷検校、富崎春昇、菊原琴治等名人遺愛の楽器を調査。科研費助成を受け「古態の楽器による地歌の会」を4回開催。日本三曲協会、生田流箏曲協会、箏曲宮城会、大和三曲協会各会員。生田流箏曲宮城社宗家直門。柳川三味線・胡弓・京地歌を故・中澤眞佐(萩原正吟門下。前京都祇園甲部八坂女紅場学園地唄師匠)に師事。静岡大学教育学部教授(音楽教育)。
菊央雄司
地歌[野川三味線](ゲスト)
古生田流箏曲、野川流三味線、上方系胡弓、平家琵琶演奏家。人間国宝故菊原初子の後継者菊原光治師に12歳で入門。上方胡弓を菊津木昭師に師事。野川流三味線本手組歌及び故生田流箏組歌、両巻を伝授。’02年から文化庁の新進芸術家国内研修員として今井勉師から平家の指導を受ける。地歌舞地方として舞台やTVに出演する等、伝統を承継しながらも現代邦楽やオペラ、和太鼓等とも共演し、韓国、ヨーロッパ各国等でも公演。NHK大阪放送局制作朝の連続ドラマやNHK土曜時代劇にて箏三味線指導。京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター共同研究員。NHK邦楽オーディション合格。NHK教育TV、NHK-FM、国立劇場主催公演等、多数出演。また邦楽アウトリーチ活動も展開中。